(仮訳)インド産の海生菌の新属Thyridariella:形態形質および複数遺伝子DNA配列解析により推論される系統
Devadatha, B. et al., 2018. Thyridariella, a novel marine fungal genus from India: morphological characterization and phylogeny inferred from multigene DNA sequence analyses. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s11557-018-1387-4.pdf [Accessed May 15, 2018].
【R3-05123】2018/5/15投稿

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3行まとめ

インドのマングローブ林から新属新種Thyridariella mangroveiおよびT. mahakoshaeを記載した。
両種はともにAvicennia marinaの材に生じ、子嚢胞子の形態や塩基配列が互いに異なっていた。
本属は子嚢果に頸部を有し、子嚢胞子が無色で中央部がくびれる石垣状、粘液質の鞘に覆われることなどで特徴づけられた。
Muthupet mangroves, Kaveri River Delta, Tamil Nadu

(新種)

Thyridariella mangrovei B. Devadatha, V.V Sarma, K.D. Hyde, Wanas. & E.B.G Jones
語源…(属名)Thyridaria属+(縮小辞)/(種小名)マングローブの
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【よく似た種との区別】
Thyridariella mahakoshae
同所的に分布する(インド)
マングローブ林に生息する
同じAvicennia marinaを宿主とする
腐生菌である
材に生じる
子嚢胞子が無色
子嚢胞子が楕円形~紡錘形
子嚢胞子が石垣状
子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれる
子嚢胞子に油滴を含む
nrLSU+nrSSU+ITS+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり子嚢胞子の2番目の細胞に縦隔壁を欠く
本種と異なり子嚢胞子の粘液質の鞘が中ほどで狭窄する
nrLSU+nrSSU+ITS+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Thyridaria broussonetiae
腐生菌である
材に生じる
子嚢果のサイズの範囲が重なる
子嚢に眼房構造を有する
子嚢胞子に油滴を含む
nrLSU+nrSSU+ITS+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁(同じチリダリア科クレードに含まれる)
本種と異なりAvicennia marinaではなくRibes rubrumおよびSambucus nigraなどを宿主とする
本種と異なり子嚢果が球形~類球形ではなく窪んだ球形~類球形
本種より子嚢のサイズが小さい
本種と異なり子嚢が棍棒形ではなく狭棍棒形
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が無色ではなく幼時淡褐色または帯黄褐色で成熟すると暗褐色~帯黒褐色
本種と異なり子嚢胞子が楕円形~紡錘形ではなく長楕円形、狭楕円形、紡錘状
本種と異なり子嚢胞子表面が平滑ではなく点状~小疣状
本種と異なり子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれない
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が横5-6、縦1ではなく横3
nrLSU+nrSSU+ITS+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Halojulella avicenniae
インドに分布する
海生菌である
マングローブ林に生息する
同じAvicennia marinaを宿主とする
材に生じる
子嚢胞子が無色
子嚢胞子が石垣状
子嚢胞子が鞘に包まれる
本種より子嚢が長い
本種より子嚢胞子が比較的長い
本種と異なり子嚢胞子が成熟時黄金褐色
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が横5-6、縦1ではなく横6-7、縦2-3
Parathyridaria ramulicola
腐生菌である
材に生じる
子嚢に眼房構造を有する
子嚢胞子表面が平滑
子嚢胞子に油滴を含む
nrLSU+nrSSU+ITS+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁(同じチリダリア科クレードに含まれる)
本種と異なりAvicennia marinaではなくRibes rubrumおよびSambucus nigraなどを宿主とする
本種と異なり子嚢果が埋生~破出性ではなく埋生
本種と異なり子嚢果が単生~群生ではなく単生または凝集する
本種より子嚢果の最大サイズが小さい
本種より子嚢の最大サイズが小さい
本種と異なり子嚢が棍棒形ではなく狭棍棒形
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が無色ではなく淡褐色~帯灰褐色
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が横5-6、縦1ではなく稀に縦1隔壁を有する
本種と異なり子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれない
nrLSU+nrSSU+ITS+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Muthupet mangroves, Kaveri River Delta, Tamil Nadu

(新種)

Thyridariella mahakoshae B. Devadatha, V.V Sarma, Wanas., K.D. Hyde, E.B.G Jones
語源…サンスクリット語で「大きな鞘」の意(子嚢胞子を鞘が包むことから)
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【よく似た種との区別】
Thyridariella mangrovei
同所的に分布する(インド)
マングローブ林に生息する
同じAvicennia marinaを宿主とする
腐生菌である
材に生じる
子嚢胞子が無色
子嚢胞子が楕円形~紡錘形
子嚢胞子が石垣状
子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれる
子嚢胞子に油滴を含む
nrLSU+nrSSU+ITS+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子が長い
本種と異なり子嚢胞子の2番目の細胞に縦隔壁を有する
本種と異なり子嚢胞子の粘液質の鞘が中ほどで狭窄しない
nrLSU+nrSSU+ITS+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される